Google AnalyticsとZoho CRMを連携させて簡易MAを構築してみた

2016年04月09日 09:20

Zohoのユーザー会で、Zoho CRMとGoogleアナリティクスを組み合わせた事例について講演しました。その時の資料を公開します。

グローバル企業が大きなコストをかけて実現しているようなマーケティングのオートメーションを低予算でどこまで真似できるか、に挑戦した結果です。

Google AnalyticsのCookie IDを会員IDに

店舗や電話、FAXによる注文、外部サイト(楽天やAmazon)での購入データなど、自社Webに仕込むアナリティクスでは通常は取得が難しいオフラインデータやCRM情報顧客単位で統合する場合、データを紐付けるために会員IDをキーとすることが多いですが、ログインを必要とする会員制のサイトではないとキーとなる会員IDを取得できない、というハードルがあります。また、会員制のサイトだったとしても、ログインする前のWeb閲覧行動データまで対象とするのは、大規模ソリューションであっても容易ではないのが現実です。

そこで今回採用した方式では、Googleアナリティクスが発行するランダムのCookie ID (Client ID)を会員IDとして扱い、そのIDをZoho CRMにインポートするようにしました。ログインの有無に関わらず使えるキーであり、GAの場合はクロスドメイン対応も楽なので、同じブラウザである限りIDを統一できます。

CRM側で顧客データを統合する

訪問者がサイトの閲覧を開始した時に、GAが自動で発行するClient IDがZoho CRMに既に登録されているかを調べ、まだの場合は新規にレコードを作成するようにしました。さらにZoho SalesIQも併用すると、IPアドレスから割り出した地域情報や、訪問回数、リファラ、スコアリング結果などのWeb行動データもZoho CRMへ送信してくれるので便利です。

外部のECサイト(カラーミー)で注文を完了した時は、注文IDに加えてGAのClient IDもカスタムディメンションにセットするようにしました。その結果、GAのReporting APIを使って、Transaction IDとClient IDのペアを後で取り出すことができるようになります。購入データに加えて、メルマガ登録や商品詳細閲覧、リピート訪問回数、About閲覧などの目標(コンバージョン)もGAで取得しているので、それらのデータをGAのClient IDをキーとしてZoho CRMに定期的にインポートしています。

注文者に関しては氏名や電話番号、郵便番号がCRMレコードに含まれるので、それらをキーとして別のECサイト(楽天やAmazon)や電話、FAXによる注文情報と付き合わせることができます。

統合された顧客情報を取り出してターゲティング

さらに、Client IDを投げるとLTV情報(購入回数や頻度、単価、総額など)や属性情報(都道府県や性別)を返すAPIを自作し、Webページを開いた時にJavaScriptで取得できるようにしました。これによって、簡単なスクリプトを書くだけでLTVや属性ベースでコンテンツやバナーを出し分けるパーソナライズを実現できるようになりました。

まだ実行していませんが、特定の条件に合致する人を抽出してターゲティングされたメールを送信することもできるようになりました。

まとめ

GoogleアナリティクスのCookie IDを会員IDとして計測するという新発想により、ログイン不要のサイトでも顧客データの統合管理とパーソナライズが可能になりました。CRMレコードとCookie IDを1:多で紐付けるようにすれば、デバイスを超えた真の人単位の統合も可能です。

今回の仕組みでは手作業が残るので、完全なオートメーションはできませんが、デジタルマーケティングは工夫すればスモールスタートできることを実証できました。うまく実績を残せれば、社内説得や予算確保も容易になるはず。今年はこのように大きなことを小さく実現する方法について、もっと模索&啓蒙していきたいと思っています。


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